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仕事の流れと業務内容

インテリアプランナーの仕事には基本計画、基本設計、実施設計、工事監理、アフターメンテナンスという段階があり、それぞれの業務内容について解説しています。

インテリアプランナーの仕事の範囲

インテリアプランナーの仕事の範囲

インテリアプランナーの仕事は、一般住宅はもちろんのこと、マンションなどの集合住宅、店舗、ホテル、オフィスなどの商業空間、病院、美術館、図書館などの公共施設、駅や空港のインテリアなど、かなり幅広い分野のインテリアにかかわることができるというのが特徴です。

このような仕事に取り組む場合、インテリアプランナーは建築設計段階から参加することが多く、建築家とインテリア設計者の一人二役をこなせる人材が求められています。また、プロジェクトマネージャーとして建築設計をコントロールする場合もあり、高度な建築とインテリアの知識、技能が要求されるケースが多々あります。

さらにこの種の施設を扱うということは、公共性、安全性、デザイン性の内容が優れているのはもちろんのこと、環境工学、都市計画、建築法規、アート、歴史などの幅広い知識と教養を備える必要もあります。以上のことからもお分かりのように、インテリアプランナーの仕事の範囲はかなり広範囲にわたっていると言えるでしょう。

インテリアプランナーの仕事の流れ

インテリアプランナーの仕事の流れ

インテリアプランナーの仕事はインテリアプランニングであり、仕事の流れは基本計画から始まり、基本設計、実施設計、工事監理、アフターメンテナンスという段階を踏みます。

基本計画では、顧客のニーズを確実に把握するためにヒアリングを実施し、これから作ろうとする空間の基本的な構想をまとめ、その物件の建築条件や立地条件を調査し、顧客の希望を十分に満たすことができるかどうかをよく確認した上で、顧客に基本構想を提案します。

次に、基本設計では、基本計画を図面やプレゼンテーション用の資料に起こして、顧客の承諾を得る段階です。概算の予算、設備や仕様の決定もこの段階で行います。また、実施計画では、実施計画及び実施設計、設計図書の作成をします。これらの決定事項に基づき、積算見積もりを作成するため、この段階で描かれる図面には高い精度が要求されます。

最後に、工事監理では、工事進行中に設計図書に基づいた監理を行い、施工状況をチェックし、運用、管理の支援及び将来の施設変更への参画などのアフターメンテナンスを行います。

基本計画への関わり方

基本計画への関わり方

基本計画に対するインテリアプランナーの関わり方には様々なケースがあります。例えば、一般住宅など小規模な計画では、インテリアプランナーは建築士も兼ねることがありますが、インテリアのみの受注の場合には、インテリアコーディネーターの活躍が目立っています。

また、一般住宅でも間取りの変更など、大掛かりなリフォームをするとなると、施工者への指示事項が増えるため、すべてを取り仕切る技能の高いインテリアプランナーが求められることになりますが、商業施設、公共施設、集合住宅などの大型物件の場合、ゼネコンや大規模の設計事務所では、内部にインテリア部門を設置しており、インテリアプランナーと建築家とが連携して仕事を進めています。

特に商業施設などでは、クライアントの代弁者としてインテリアの側から建築をリードすることも考えられるため、理想としては建築計画の当初の段階からインテリアプランナーが参加することでもありますが、現状ではインテリアプランナーが設計事務所や施工会社と組んで仕事をする場合、建築物の概要がすでに決まっているインテリアのみを任せられることもあります。

基本設計する際のポイント

基本設計する際のポイント

基本設計の段階でインテリアプランナーに求められている能力とは、顧客に魅力やセンス、アイデアを感じさせる企画提案能力ですが、この企画提案能力のベースとなっているのが情報収集力です。

情報収集力には、顧客の隠れたニーズを引き出すという側面もあります。インテリアプランナーはコンサルティングの中で、この隠れたニーズを引き出し、敷地状況や商圏調査などを顧客にぶつけながら、顧客の希望や現状、予算などを十分に聞きだすことが重要です。

また、相手の納得のいく結論を導き出し、真のニーズを引き出すことこそ、顧客との信頼関係を築くための最初の一歩とも言えます。この顧客の隠れた真のニーズを引き出し、粘り強く掘り起こすことによって、より満足度の高い設計をすることもできます。

実施設計の重要性

実施設計の重要性

実施設計とは設計の詳細を正確に顧客に伝えるためのものであり、それを元にインテリア計画を実施し、工事が行われます。その際に描かれる図面を「実施設計図書」と言いますが、実施設計は適切な製図技術が要求されます。

実施設計図書には基本設計図よりも大きな縮尺で描かれ、必要に応じて仕様書、電気、空調、給排水などの設備図も作成されます。また、実施設計図書には平面詳細図、仕上げ表、展開図、建具図なども含まれます。

実はインテリアプランナーと施行者の間のトラブルは、この実施設計図書の出来にかかっているとも言われています。つまり、インテリアプランナーは図面を通じて施行者と会話をする必要があり、自分の作りたい建築物を伝えなければいけません。これはディベートで相手を説得することと考え方が似ていると言えるでしょう。

コストマネジメントの流れ

コストマネジメントの流れ

インテリアプランナーが常に頭に入れておかなければならないことの一つにコストマネジメントがあります。コストマネジメントとはプロジェクトに必要な予算の金額に応じて、その予算を最大限に生かしつつ、プロジェクトを進めて行くことを言います。

まず、顧客の予算に応じて、各インテリア計画にどの程度の費用を配分するかというコスト計画を立て、プランや仕様がある程度決定した段階で、顧客の承認を得るために概算見積もりを提出します。次に、原価を把握すると共に実施見積もりを作成し、工事の進行状況や品質についての監理を行う必要があります。

このときに、しっかりとしたコスト管理を行っていなければ、計画のやり直しにつながるだけではなく、実施の段階になって材料や部材のグレードを落とすという最悪の事態を招くことにもなりかねません。そのため、インテリアプランナーは、自分も顧客も納得の行くコスト計算の研究を怠らないようにしましょう。

工事監理の役割

工事監理の役割

工事監理とは、インテリアプランナーが設計図書を提出した後、進行している工事が設計図書どおりに行われているかどうかをチェックすることを言います。工事監理は設計業務とは別の段階の仕事であるため、本来はインテリアプランナー自身が行う必要はありません。

しかし、仕事の性質上インテリアプランナーの設計業務の締めくくりとして組み込まれており、自分の考えを的確に施行者に伝えるためにも、やはり工事監理もインテリアプランナーの仕事と言えるでしょう。是非、施工現場を知り、施行者とのコミュニケーション能力を高めてください。

また、インテリアプランナーが扱う物件が大きな場合、定例の打ち合わせ会議が行われるケースも珍しくなく、当然施行者と直接会話をする必要があります。もし、経験の浅いインテリアプランナーであれば、特に経験を積むためにも現場の実情をよく調べ、コミュニケーションの取り方を知っておくと、後々に必ずその経験が役立つ日が来ることでしょう。

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